2012年4月12日木曜日

製造業?

今、日本の製造業が危ない。大手製造業各社の2012年3月期の業績が頗る悪い。ソニーの連結損益は5200億円の赤字見込みで過去最大。パナソニックは7800億円の赤字見込み。シャープは3800億円の赤字見込み。東芝、三菱電機は黒字ながら、業績下方修正。日立のみが計画を達成する模様。また最近ニュースであった様にエルピーダメモリが破産申請と、日本の製造業についての悪いニュースが続いている。。うちの会社だって、業績が良くない。

でも日本の家電・電機系メーカーの調子が軒並みそろって悪ければ、一つの会社のせいでなく、産業構造や経済に問題があるかもしれない。実際、ソニーとシャープはテレビ事業という市場で韓国勢に惨敗しているし、輸出系企業は円高という障害に苦しんでいるという理由がある。

ところで、製造業は古いビジネスの形態なのかな?実際、製造業業界で働いていて、たまに思う。モノづくりってのは基本的に古い商売の形態。作って、売って、原価と売値のマージンを利益として頂く。そういう商売。利益を得るためには、安く作り、原価を下げるか、付加価値をつけ、売値を上げるかのどちらか。最近では、中国や韓国メーカーに勢いがあり、日本メーカーよりも断然安く作れる(太陽電池業界では、中国メーカーが安く作りすぎて、3年前に業界トップだったドイツQ-Cells社が破産申請するぐらい)。品質の問題もあるけれども、日本の製品はオーバースペックな可能性だってあるし、日本の品質が良いとは一概には言えなくなっている。日本で作る時代は終わり、海外生産が当たり前の時代になった、そういうニュースをよく見る。Made in Japanの製品なんてここしばらく見ていないし。

そんな中、アメリカのAppleは、そもそも製造プロセスを外部委託している。開発やデザインなどのみを自社で行う。うちの競合のアメリカ Applied Materialsも設計・マーケティング以外?は外部委託らしい。でも逆にアメリカは生産を外部委託しすぎた代わりに国内の製造業が衰退し、今、逆にそれを呼び戻そうとしているが、それはまた別議論。

生産の外部委託が必ずしも良いものとは限らないが、会社として、製造のプロセスを外部委託するという選択も一つの解だと思う。実際に委託すれば、社内のより多くの価値を生み出せる人材を研究開発等別の所に回せる。そこがメリットだと思う。そういう点で、モノづくりを大事にしてきた日本の企業はそういう決断ができないのではないかと思う。良いものを作れば売れるという時代は終わっており、より高い付加価値のついた製品を国際的な戦略をもって売る時代に入っている(簡単じゃないけどね)。円高などの障害は簡単に解決できないけど、それでも尚、生き残るには、過去を捨て去る決断力、先見性、戦略性が要求されるはず。隣の国を気にせずにモノを作ってれば良いという時代はとっくの昔に終わっている。日本企業はもっともっと外を見なくちゃいけない。


1 件のコメント:

nepal さんのコメント...

これはウチの会社にも言える事やな。過去の成功方程式にしがみつくんじゃなく、現在そこにいるお客さまのニーズを満たす商品、サービスを提供しないといけないよね。たまに自分もメーカー目線になる事があるんだけど(自社商品至上主義)、自社商品を愛する気持ちと、一歩引いた目線で商品やサービスを見る力も必要だと思う。少しでも会社の
イノベーションに貢献したいよね。